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医療業界で稀少な存在となる感染症看護専門看護師
感染症に対して接する看護師には、感染症看護専門看護師と感染管理認定看護師の2種類があります。
いずれも感染症のスペシャリストではありますが、それぞれに求められるものは異なるため、同じようなものということはありません。
そのため、どちらに適正があるかということを把握した上でどちらの看護師を目指すかを決めないと、実際に試験や実践経験に直面した際に後悔する可能性もあります。
認定看護師や専門看護師の資格取得を目指す場合は、あらかじめどのような職業なのかをしっかりと確認することが重要です。
感染症看護専門看護師は、日本看護協会が2006年に制定した専門看護師です。
1996年に認定が開始されている専門看護師の分野の中では、かなり新しい部類に入ります。
そのため他の分野の専門看護師とは異なり、登録者数、大学院数共に非常に少ないのが現状です。
日本全国でみてもほとんど数えるほどしかいないため、貴重な人材といえます。
感染症看護専門看護師が生まれるまでには、かなり長いスパンがありました。
元々専門看護師の誕生時点で構想の中にはあったようで、1998年には専門看護師教育課程の中に「感染看護」を加えることになりました。
最初に北里大学大学院看護学研究科看護学専攻修士課程で感染看護が扱われ、2003年には山梨県立大学大学院が、2006年には大阪府立大学大学院が感染看護の教育課程の認定を行っています。
この時点でようやく感染看護が専門看護分野と認められるようになったのです。
感染看護は、非常にナイーブな仕事と言えます。
感染病になった人は、精神的にかなり不安定な状態に陥ることが多いためです。
通常の病気と違って腫れ物に触るような扱いを受け、お見舞いを受けることもできず、孤独に苛まれてしまうケースが多数を占めるため、精神的なケアが必要となります。
感染症看護専門看護師の仕事には感染に関する基礎知識も重要ですが、患者のメンタルに対しても入念な観察が必要となります。
感染症看護専門看護師を仕事とする場合は、感染症患者がどのような精神状態になるかということをしっかりと把握しておかなくてはなりません。
その分、きめ細かい観察と洞察力が要求されます。
需要という面では、感染症の頻度から考えると決して多くはありません。
ですが、その分同業者も少なく、重宝される仕事といえます。
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