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退院支援の重要性と看護師のありかた
退院支援の仕事は、看護師が行うケースがほとんどです。
退院調整看護師など、近年ではそのスペシャリストの育成も盛んに行われている一方で、退院支援の重要性をまだ完全に把握できていない施設も多いと言われています。
退院したらもうお客様じゃないというような姿勢の病院が、全くないとは言い切れないのが現状ではないでしょうか。
しかし、患者にとっては退院した後の生活こそが重要であり、そこをサポートすることが、看護という観点においても重要なのです。
退院支援は、入院時にもうはじまっています。
まず入院した患者に対し、さまざまな観点から退院後の方向性を検討することになります。
いわゆるプランニングですね。
このプランニングにおいて、看護師が行うべき仕事は主に4つあります。
最初に、医療の必要性を説くこと。
今はこのような状態で、治すためにはこういう処置が必要だから、これくらい入院する必要があるという詳しい説明を行うことです。
もしもこの説明が不十分だと、患者は当然退院後の影響を心配し、少しでも早く退院したいと訴えたり、逆にこれくらいの退院期間で良いのかと不安に駆られたりします。
そうなると落着いて治療を受けることもできず、あらゆる面で影響が出てきてしまうのです。
次に、医療計画に対し、患者とその家族に合意を得る仕事です。
これに関しては、ドラマにおいて手術の場面などでよく目にする機会があるでしょう。
患者、あるいはその家族の同意がなければ、医療は成り立ちません。
当然この点も退院支援につながってくるため、必要な仕事となります。
また、退院後の計画を考えていく上で、家庭事情や仕事など、日常生活に関するさまざまな事情を考慮する必要もあります。
退院はできてもまだ絶対安静が必要だったり、あるいは自由に動けないのでベッドが必要だったりという場合、看護師は患者の自宅にそういった環境が整っているのか、介護できる人はいるのかなどという点を考慮して退院後の計画を練る必要があるのです。
もしそういった環境がなければ、施設への編入等を考慮しなくてはなりません。
加えて、回復具合がどの程度かという経過観察も、退院後の計画には大きく影響してきます。
これらの状況を踏まえて退院後の計画が決定した後には、実際にそれを実行します。
リハビリが必要なら相応しい環境でリハビリのお手伝いをしたり、自宅での介護が難しい場合はどの施設が最適かを考慮した後に手続きを進めるサポートをしたりすることになります。
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