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難易度が高いながら将来性のある認知症認定看護師
認知症認定看護師とは、認定看護師の中において認知症に対しての知識や処置方法、技術などを習得していることが認められた看護師で、主に認知症患者へのケアが仕事になります。
認知症は、現代においても最も深刻な問題とされています。
高齢化社会が進む中で、認知症になる人の数も年々増加傾向にあります。
特に近年は核家族化の影響もあり、高齢者の一人暮らしや高齢者のみで暮らす世帯も多く、介護もなかなか行き届かないのが現状です。
老老介護などは、その典型的な状態と言えます。
そんな認知症に対し、発症初期から終末期のいずれの状態においても認知症患者とその身内に対し最良の治療やケアができ、また生命や生活の質(QOL)の尊重もできるよう教育を受けているのが認知症認定看護師です。
認知症認定看護師となるには、まず通算で3年以上の福祉施設、もしくは認知症高齢者へのケアを行っている医療施設での実務経験があることが条件となっています。
さらに、その期間において認知症高齢者の症例に5例以上携わっていることも条件として必要です。
これらの条件を満たした段階で、認知症認定看護師となるための試験を受ける資格を得ます。
必要な要件を満たしただけでは資格を認められず、認定試験に合格する必要があるのです。
認知症認定看護師は、2009年の段階でまだ10名しかいません。
2005年に設けられた制度のため、まだ普及初期の段階であることもありますが、それだけが認知症認定看護師の数が少ない理由ではありません。
非常に難しい仕事であるということもひとつの理由としてあるのです。
認知症患者と接するのは非常に根気が必要ですし、それ以上に気遣いなどの精神的な配慮もかなり重要となっています。
誰もができる仕事とは言いがたいでしょう。
看護師の中でも認知症患者の適性を持つ人は決して多くはないと思われます。
認知症患者には一定の規則性こそあるものの、基本的には非常に行動が読みにくいという傾向が見られます。
そのため、仕事の内容も非常に柔軟性を問われることになり、それを実践できる人材はそう多くは確保できないのが現状なのです。
しかし、高齢化社会の到来により、今後認知症認定看護師の需要はさらに高まっていくと予想され、厳しさと同時に安定した未来があるのも確かといえます。
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